10 誘惑に対して霊魂を強める方法

あなたは、時々内省して、あなたの霊魂を乱す主な欲情を検査して、ついで、思い・言葉・行為において、これらと正反対の生活スタイルを励まないといけません。たとえば、あなたの主な傾向が虚栄心であるならば、しばしば、「臨終の日に当たって、これらの虚栄は、どれほど良心の重荷になるであろうか。虚栄は、どれほど高貴な心にふさわしくないのか。虚栄は、幼子の遊戯に過ぎないではないか」などと自問し、人間世界のはかなさを考えなさい。また、しばしば、虚栄と反対の言葉を言いなさい。それが本心から出ていないと信じる場合でも、虚栄を、とても嫌うとたびたび言明するといいです。そうすれば、あなたは虚栄の嫌いな人だと評判されるようになり、またその宣言を反復するうちに、たとえ、最初はそれにひそかな執着をもっていても、やがて真実にこれを憎むようになってきます。また、心のなかで苦しく感じても、できるだけしばしば、謙遜・屈辱の行為を実行しなさい。こうすれば、謙遜が習慣となり、虚栄心は自然に衰えて、誘惑の際にも、誘惑を助ける悪傾向を減らしているので、あなたは簡単に、これを征服することができます。もし、あなたに吝嗇(=ケチ)の性癖があるならば、「吝嗇は、使うためにつくられたものの奴隷となることで愚の骨頂である。また、臨終に際しては、いかに残り惜しくても、財貨と別れて、それを浪費する誰か、あるいは、それがかえって、身の破滅の源になる誰かの手に残さないとならない」等の思いを発するとよい。また、言葉を尽くして吝嗇をののしり、世間の富を軽んじ、あえて、しばしば慈善を行い、また、時として、故意に財産を増やす機会をなくすといいです。もし、あなたが、他人を愛し、また、他人から愛されたい性質ならば、「このような遊戯的恋愛があなたにとっても、他人にとっても、どれほど危険であるか。私たちの霊魂の最も貴い感情を、遊戯のために遊ぶのが、いかにふさわしくないか。また、いかに、これが不真面目と非難するのに値するか」としばしば思い、また、機会あるごとに清浄・純潔を賛美し、さらに、できるだけたびたび、潔徳の行為を実行し、性的興味を刺激させるすべてを避けなければいけません。これをまとめると、平和のとき、すなわち、あなたの陥りやすい罪の誘惑が急迫しない間は、努力して、それと反対の徳を実行し、その機会がない場合には、むしろ、積極的に戦いをいどむといいでしょう。これが、あなたの将来の誘惑に対して、あらかじめ霊魂を強める方法であります。