3巻 9 究極目的の神に一切を帰する

「子よ、真に幸福になろうと思うなら、私を、あなたの最高の、究極の目的にしなければならない。この意向は、自分自身と被造物とに傾きがちなあなたの愛を清めるだろう。あなたが、自分だけの満足を求めるなら、すぐ枯れ切って衰退するだろう。すべてを与えたのは私だから、すべてをまず私に帰せよ。そして一切は最高の善から出るもの、すべては源である私に帰すべきものだと思え。小さいものも、偉大なものも、貧しいものも、富めるものも、生きる泉の私から生きる水をくむ。進んで、自由に、私に仕える者は、豊かに恵みを受ける。しかし、私以外に栄光を求め、また何か他のものに、慰めを求める者は、まことの喜びに休まず、その心は広がらず、いろいろな妨げに会い、悲しみを見いだすだけである。だからあなたは、善を自分自身に帰してはならない。徳を自分に帰してはならない。すべては神から出るものであって、神から出るものでなければ、人間は何一つ持っていない。すべてを与えた私は、すべてが私に返されることを望む。しかも、それに対して感謝することを、おごそかに要求する。それは、空しい虚栄心を遠ざける真理である。あなたの心に、天の恵みとまことの愛徳とが入るなら、妬みや狭量や自愛心の余地はない。実に、神への愛は、すべてに勝ち、人の心を大きくさせるものである。あなたに知恵があるなら、私においてだけ喜び、私だけをより頼みとするだろう。『神ひとりの他によいものはない』(ルカ18・19)からである。神は、すべてにおいて賛美され、祝されるべきお方である」。