3巻 11 心の願望をしらべ、またそれを抑えなければならない

「子よ、あなたは、まだよく知らない多くのことを知る必要がある」。「それは何でしょうか。主よ」。「あなたは、自分の望みを、全く私の考えに一致させ、自尊心を避け、その代わり、み旨にそおうという考えだけを養わなければならない。様々の欲にかられ、それに押し流される。しかしあなたが動かされるのは、私の光栄のためか、それとも自分の安楽のためかをよく省みよ。もしあなたの行いの目的が私にあるなら、私がどう定めようと、あなたはいつも満足するだろう。しかし、自分自身の利益をはかる心が潜んでいるなら、丁度それが、あなたを妨げ、不安にするのである。だから、あなたは、定めた計画に執心するな。後に後悔することがないよう、また、先には気に入っていて、最善なものとして望んだことを後に嫌うことがないようにせよ。実は、善いと思う心の動きにもすぐに従ってはならず、またその反対の場合をすぐ避けるのもいけない。よい決心と望みも、しばしば抑えなければならない。無思慮のために、知恵が迷うことなく、統一のない方針が、他人のつまずきとなることなく、他人の反対を受けて不安になり、倒れてしまうことがないように。特にまた、勇気を奮い起こして、感覚的欲望に挑戦するがよい。身体が何を望むか気を配らず、むしろどうあっても身体を霊に従わせるように努めるがよい。どんなことも喜んで受け、少ないもので満足し、粗末なもので喜び、気に入らないことに不平をならさないように、身体をおさえ、服さなければならない」。