2巻 3 平和を愛する人

まず、あなた自身のうちに、平和を保て、そうすれば、他人にも平和を分けることができる。平和な人は、大学者よりも他人のためになる。感情家は、善さえも悪に変え、また悪を信じやすい。ところが、平和を愛する人は、すべてを善に変える。心を平和に保っている人は、誰をも疑わないが、不平家で憤激しやすい人は、疑いに苦しめられる。その人は、時々、言ってはならないことを言い、自分のしなければならないことをおろそかにする。彼は他人のすることに気を使うが、しかし自分の務めを怠る。だから、あなたはまず、自分の霊魂について熱心であれ、そうすれば自然、他人のことにも熱心に注意するようになる。あなたは、自分の行いを弁護することを知っているが、他人の弁護には耳を貸さない。むしろ自分を責め、兄弟を弁護するのが正しいことである。他人に忍耐してもらいたいなら、あなたも、他人の短所を忍ばねばならない。あなたは、まことの愛徳と謙遜という点で、他の誰よりも、はるかに劣っているのだと知らなければならない。平和を愛する正しい人と仲良く生活することは、大して難しいことではない。それは、自然、皆の好むことである。誰でも、平和を喜び、自分と同じ意見の人を愛するものである。しかし、頑固なふしだらな悪人、あるいは、自分に逆らう人とともに、平和のうちに生活することは、むしろ神の恵みであり、賞賛すべきことであり、雄々しい徳である。自分のうちに平和を保ち、また、他人と共に、平和を保つ人がある。ところが、自分のうちに平和を持たず、他人の平和もかき乱す人もいる。ともあれ、この惨めな人生において、私たちは、不幸を避けることよりも、謙虚に苦しむことに、平和を見出さなければならない。よく忍耐することを知っている人は、よく平和を保つだろう。それは、自分自身に勝った人であり、世間を支配できる人、キリストの友人、天の世継ぎである。