18 卓越した祈り

あなたが何をなさろうと、ロザリオについて語るときに始終言及されるローマのある婦人のようになってはなりません。その人は確かに信心深くありましたが、我意を通すという欠点がありました。彼女はあまりにも敬虔で 信心に熱烈なあまり、自分の聖なる生き方を盾にとって教会の最も厳格な聖職者でさえも赤面させたのでした。この婦人が、ある時自分の霊的行き方について聖ドミニコの助言を仰ぐことに決め、彼に告解を聞いてくれるように頼みました。聖ドミニコが償いとして彼女に与えたのは、ロザリオの一環であり、それを毎日実行するよう勧めました。すると婦人は、自分は毎日ローマにある指定された教会の巡礼という信心業を実行しているし、袋地の粗服と毛衣とをまとい、週に数回は自分に苦行を課し、その他にも数多くの贖罪の業を行なっており、厳しい大斉も守っているのでロザリオの祈りを唱える時間がないのを言い訳に、その勧めを辞退しました。聖ドミニコは自分の助言に従いロザリオを唱えるよういくども繰り返して勧めましたが、 婦人はどうしてもその勧めを聞こうとはしませんでした。彼女は、全く自分の好みに合わない信心業を行うよう熱心に説得しようとするこの初めての指導者のやり方にすっかり恐れをなし、告解室を出たのでした。

後日、祈っている間に、その婦人は恍惚状態となり、主の最後の審判の席の前にいる自分の霊魂の幻を見ました。聖ミカエルが彼女の償いの全てとその他の祈りとを秤の一つの皿にのせ、彼女の全ての罪と不完全さともう一つの皿にのせました。すると、婦人の立派な信心業をのせた皿よりも彼女の罪と不完全さとをのせた皿の方がはるかに重かったのです。恐怖にかられた婦人は、やさしさに満ち、思いやりにあふれた代弁者である聖母に憐れみを求め、 御助けを願いました。聖母マリアは、その婦人が償いのために唯一度だけ唱えたロザリオを受け入れてくださり彼女の善行の皿の上にのせてくださいました。この一環のロザリオの重さ大変なもので、婦人の全信心業ばかりではなく、彼女の全罪業よりも目方がかかったのです。聖母はその時、ご自分の下僕、ドミニコの勧めに従わず 、毎日ロザリオを唱えるのを断ったことで婦人をお叱りになりました。その婦人は我に返ると大急ぎで、聖ドミニコのもとへ駆けつけ、その足元にひれ伏して自分の身に起きた一部始終を話し、信仰のなさの赦しを乞うとともに、これからは毎日忠実に、ロザリオを唱えると約束しました。そしてロザリオにより、彼女はキリスト教の完成に、またついには 永遠の命という栄光に到達したのです。祈りの人々である皆様、いとも聖なるロザリオを、奥義について黙想とともに唱えるとき、その信心の力と価値と重要性とがいかに途方もなく大きなものであるかを、この話から納得してください。

天使たちによって日々、天国へあげられ、また主ご自身と聖母の御足元で教えてをいただく特権を持っていたマグダラのマリアと、同等の高い祈りの段階に到達する聖人はまずいません。にもかかわらず、ある日マグダラのマリアが、神の愛に進歩し、完成の高みに到達する確実な方法を教えてくださいと神に願ったとき、神は彼女に、完成に達するには主の受難について黙想する以外に道はないと告げられるため、ご自分の代わりに大天使ミカエルをお遣わしになりました。聖ミカエルは、マグダラのマリアのこもっている洞窟の前に十字架を置き、彼女が実際に目撃した悲しみの奥義を黙想しながら、その前で祈るように彼女に告げました。

聖フランシスコ・サレジオは彼の時代の素晴らしい霊的指導者でしたが、彼の模範を目にするとロザリオの信心会に加われねばという気持ちに駆り立てられます。というのも、聖フランシスコは偉大な聖人であり、その彼が一日も欠かさずロザリオ一環を唱えるという誓いで自分を縛っていたからです。 聖シャルル・ボロメオも毎日ロザリオ一環を唱え、その信人業を彼の司祭たち、神学校の教育者たち、また全信徒たちに強く推薦しました。聖ピウス五世は、今までに教皇を治めた教皇の中でも最も偉大な教皇の一人ですが、毎日ロザリオを唱えました。聖イグナチオ、聖フランシスコ・ザビエル、その他にもその名を挙げていない数を多くの偉大な人達が聖なるロザリオに深い信心を持っていました。この聖人たちの手本に従いましょう。そうすれば、あなたの霊的指導者たちは喜んでくれるでしょうし、あなたがこの信心から受けた恩恵について気づいてなかったとしたら、真っ先にこの信心業を行うように勧めることでしょう。