11 天使祝詞 恵みの数々

天使祝詞 恵みの数々

天の元后は、この世の思いやりに富んだ礼儀正しい人たちに勝って、感謝の念に溢れた誠実な方であります。他のあらゆる美点に優れていられるのと全く同じに、聖マリアは感謝のお気持ちにおいても私たち人間すべてに勝っています。ですから私たちが愛と尊敬をもって礼を尽くせば、聖母はそのお恵みでその挨拶のお返しをしてくださいます。聖エリザベトは神の御母の挨拶を耳にした瞬間、聖霊に満たされ、そのご胎内の子が踊りました。私たちが、適切に天使祝詞を唱え、イエスとマリアを愛し、賛美し、栄光を褒め称え、私たちが聖母の挨拶や、お恵みにふさわしい者になるならば、確かに私たちは、私たちの霊魂に注がれる恩寵と、霊的な慰めに満たされることでしょう。

幸運な交換 

ルカ6・38には「与えなさい。そうすれば、あなたがたにも与えられる」と記されています。これについての福者アランの説明を見てみましょう。「私が毎日、あなたに150個のダイヤモンドをあげると仮定してみてください。たとえあなたが私の敵であっても、私を赦すのではないでしょうか?私を友達のように扱い、あなたにできる限りあらゆる良いものを私に与えてくれはしないでしょうか?恩寵と栄光という富を得たいなら、聖処女に挨拶をして、御母を尊敬しなさい」。「母(聖処女)を敬えば富を蓄える」と集会の書3・5に記されています。それゆえ、毎日少なくとも50のめでたしを聖母に捧げなさい。…めでたしの一つ一つには15個の宝石の値打ちがあり、この世の宝を全部集めたものよりも聖母をはるかにお喜ばせするからです。また、聖母の寛大なお心から、とても素晴らしいものを期待できます!聖母は、私たちの御母であり、また友でもあります。宇宙の女王であられ、この世のすべての母親や女王たちが、今までに子供たちや臣下のものたちを愛した、その愛を全部まとめたよりもはるかに私たちを愛してくださいます。聖処女の愛徳は全人類の人間的愛を、また天使たちすべての愛ですらもはるかに卓越していると言った聖アウグスティヌスの言葉は確かにその通りなのです。ある日、聖ゲルトルーディスは、金貨を勘定しておられる私たちの主を幻で見ました。そこで、一体何をなさっているのですかと主にお尋ねする勇気を奮い起こして、そうすると、「あなたたちの唱えためでたしの数を数えている。この祈りで、あなたたちは天国の切符を買うことができるのだから」と主は御答えになったのです。

福者アランは、「ああ、聖マリアよ、あなたを愛する者すべてにこの言葉を聞かせ、心に味あわせてください」と次のように祈っています。

私がめでたしを唱えるたびに、天の宮廷はそれを耳にして歓び、地の人々はその不思議さに、心を奪われる。私はと言えば、心は神への愛で、溢れんばかりとなります。めでたしを唱えるとき、わたしの内で信心が育ち、罪の後悔に掻き立てられる。めでたしを唱えるとき、胸の内にある希望は力を得、慰めが露のように、いよいよ数を増して、私の魂に降り注ぐ。めでたしを唱えていると、わたしの精神は歓喜に満ち、悲しみは薄らいで行く。めでたしを唱えていると…

この祝された祈りの甘美さは、あまりにも深いので、それをぴったりと説明する言葉が見つかりません。また、たとえその不思議さが歌われるときにも、それが神秘に満ち、あまりにも深淵なので、その奥底まではまだとても見抜くことができません。めでたしを構成している言葉はほんのわずかですが、驚くほどの神秘性に富んでおり、蜜よりも甘く、黄金よりも貴重なのです。私たちは始終めでたしの祈りについて心のなかで黙想にふけり、いく度もいく度も深い信心をもって祈らないといけません。