2 聖伝と聖書の関係

共通の源泉

「聖伝と聖書とは互いに固く結ばれ、互いに共通するものがあります。なぜならば、どちらも同一の神的起原を持ち、ある程度一体をなし、同一の目的を指している」からです。どちらも、「世の終わりまで、いつも」(マタイ28∙20)弟子たちとともにとどまることを約束されたキリストの神秘を、教会の中に現存させ、実らせるものです。

伝達の二つの異なる方法

「聖書は、聖霊の霊感によって書かれたものとしての神のことばです」。「聖伝は、主キリストと聖霊から使徒たちに託された神のことばを余すところなくその後継者に伝え、後継者たちは、真理の霊の導きのもとに、説教によってそれを忠実に保ち、説明し、普及するようにするものです」。

したがって、啓示の伝達と解釈をゆだねられた教会が、「啓示されたすべてのことについて自分の確信を得るにあたって、聖書だけに頼らないのはそのためです。それゆえ、どちらも同じ敬謙と敬意をもって尊敬されるべきものです」。

使徒伝承と教会伝承

ここで述べられている聖伝は使徒たちに由来するもので、使徒たちがイエスの教えと模範から受けたことと、聖霊によって学んだこととを伝えます。実際、初代のキリスト信者はまだ書としての新約聖書を持っていませんでしたし、新約聖書そのものが、生きた伝承の形成の次第を示しています。

地方教会では時とともに、神学、おきて、典礼、あるいは信心上の「諸伝承」が生まれました。これらと上述の聖伝とは区別されなければなりません。諸伝承は、個々の様式を持っているので、その中から、異なる場所、異なる時代にも適応した表現を大伝承(聖伝)が受け取ります。そしてその大伝承に照らし合わされ、教会の教導権の指導のもとで、諸伝承は維持されたり、修正または放棄されたりするのです。