17 喜びとは何か、および意志が喜ぶことのできる対象について。

欲情と、意志の第一の愛着となるものは、喜びである。喜びというのは、ふさわしいと思うあることを大切にする心の満足に他ならない。なぜならば意志は、価値あるものと思い、満足を与えるものでなければ決して喜ばないからである。これは、積極的な喜びの場合で、その喜ぶものについて明白に理解している時のことである。そのことを喜ぶか喜ばないかは自由である。他に受け身の喜びというものがあり、それはその喜びをはっきり知ることなく意志が喜ぶことである。受け身の喜びについては後に論じる。今ここでは、明白なことについての自ら積極的にもつ喜びについて話す。

この喜びは、六種類の対象からでてくる。すなわち、地上的なもの・自然的なもの・感覚的なもの・倫理的なもの・超自然的なもの・霊的なものである。これらのことについて順序を追って述べていく。それは、意志を理性の下におき、喜ぶ力を神に集中できるようにするためである。そして、その基礎は、神の光栄に関することのみを意志の喜びとすべきであること。そして、神に捧げ得る最も大きい光栄は、福音的完徳に従って神に仕えるということ、これ以外のものは人間にとって無価値であり無益であるということである。