1 聖霊によって人となり…

「時が満ちる」(ガラテヤ4∙4)こと、すなわち約束および準備段階の完了は、マリアヘのお告げから始まります。マリアは、「満ちあふれる神性が、余すところなく、見える形をとって宿って」(コロサイ2∙9)いるかたを懐妊するように招かれます。「どうして、そのようなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに」(ルカ1∙34)、とマリアは尋ねますが、「聖霊があなたにくだります」(ルカ1∙35)ということばで、それは霊の力によるものだという神からの答えがなされます。

聖霊の派遣はつねに御子の派遣と一体となっており、その派遣のわざと結ばれています。聖霊はおとめマリアの胎内を聖化し、神の力によってマリアを懐妊させるために遣わされました。「いのちの与え主」である聖霊は、御父の永遠の御子をマリアと同じ人間性を持ったものとして宿すようにしたのです。

おとめマリアの胎内で人となられた御父のひとり子は、人として存在したその初めから、「キリスト」、すなわち聖霊によって油を注がれたかたなのです。もっとも、このことは、羊飼い、占犀術の学者たち、洗礼者ヨハネ、弟子たちへと、漸進的に明らかにされていきます。つまり、イエス・キリストの全生涯は、どのようにして「神は聖霊と力によってこのかたを油注がれた者となさ〔った〕」(使徒言行録10∙38)かを明らかにしていくものです。