5 要約

「神が死を造られたわけではなく、いのちあるものの滅びを喜ばれるわけでもない。……悪魔のねたみによって死がこの世に入〔った〕」(知恵1∙13、2∙24)。

サタンと呼ばれる悪魔や他の悪霊たちは、神とその意図に仕えることを自由意志を濫用して拒絶したために失墜した天使です。神に背いた彼らの選択は撤回できないものです。彼らは、神に対する自分たちの反抗に人間を加担させようと企てています。

「人間は神によって義の中に置かれたのですが、悪霊に誘われて、歴史の初めから、その自由を濫用し、神に対立するものとなり、自分の完成を神のほかに求めました」。

最初の人としてのアダムは、ただ自分のためだけでなく、すべての人間のために神から与えられた原初の聖性と義を、その罪によって失いました。

アダムとエバは子孫たちに、自分たちの最初の罪のゆえに傷つけられ原初の聖性と義を失った人間の本性を伝えました。この欠如の状態が「原罪」と呼ばれます。

原罪の結果、人間の本性は強さを失い、無知と苦と死に支配され、罪への傾き(この傾きが「欲望」と呼ばれます)を持つようになりました。

「したがってわたしたちは、トリエント公会議の教えに従い、原罪は人間本性とともに「模倣によってではなく、生殖によって亅伝えられたものなので「一人ひとりの人間のものである亅と主張します」。

キリストがもたらした罪への勝利は、罪によって失ったものよりも優れたたまものをわたしたちに与えました。「罪が増したところには、惠みはなおいっそう満ちあふれました」(ローマ5∙20)。

「この世界はキリスト者の信仰にとっては、創造主の愛によって造られ保たれており、罪の奴隸状態に陥りましたが、キリストの十字架の死と復活とによって、「悪しき者亅の権力が破壊され、解放された世界です」。