わが理想 第4部 マリアの兵士

わが理想 第4部を短くしています。

1 マリアの使命とあなたの使命 

①共贖者としての使徒的役割

聖母は受胎告知にせっしたとき、次の二つのことを悟りました。

  1. 救い主が聖母を救世の大事業に参加させようとしておられる
  2. 神の申し出を承諾することはただちに、ご托身と贖罪の奥義に対する協力を約束することになる

聖母は神の申し出をお受けいたしました。そしてそのときから、イエスがご死去するまで、

聖母はイエスとごいっしょに、人類のあがないのために尽力しました。

  • 聖母はいけにえとなるイエスに肉体を形づくってさしあげ、燔祭の日を胸にえがきながら、イエスを養育しました。
  • 聖母自身の艱難、辛苦、意志を、イエスの艱難、辛苦、意志に合わせました。
  • 聖母は、イエスを最上の供え物としておん父に奉献しました。

地上において、イエスは贖い主であり、聖母は共贖者でした。

天において、現在、聖母は、イエスの協力者となって、すべての霊魂に贖いの成果をを分け与えています。

そして、このことが、世の終わりまで継続する聖母の使命です。

聖母は、今、イエスとご一緒に、人々の改心と成聖のために、尽力しておられます。

②母としての使徒的役割

聖母は、イエスの母となるとともに、またすべてのイエスの兄弟となる人の母です。

聖母は、真の母として、自分の子供たちの生命と救霊とを配慮しておられます。

だからこそ、神は、聖母を天に召しあげた日に、聖母に、共贖的働き、霊的母性という二つの性質の使徒的使命を委託されたのです。

③マリアは使徒の女王である

マリアは使徒の女王です。なぜなら、この普遍的な使徒的事業が、だれよりもまず聖母に委託されたものだからです。

使徒たちは、ただ限られた範囲内において、聖母の事業を助けるにすぎません。

使徒的事業は戦いです。なぜなら、聖母は、一人一人の霊魂をサタンの手から奪い返して、イエスと御父の御元に、連れ戻さないといけないからです。

悪魔が人祖の堕落に成功して勝ち誇っているとき、神はその敗北を預言しました。

「おまえと女、おまえの子孫と女の子孫の間にわたしは敵意を置く。彼女はおまえの頭を砕く」

創世記3・15

聖母は、無原罪の御宿りから現在まで、サタンの頭を踏み続けています。

聖母は、世の終わりまで、サタンの頭をふみ砕き続けるでしょう。聖母はサタンにとって、いかり、恨み深い者であり、恐怖の敵です。 

現在、世界はサタンの手中に入れられてしまったように見えます。しかし、神は、聖母をこれに立ちむかわせ、聖母によってサタンの頭をふみ砕こうとなさろうとしています。

聖母には、輝かしい大勝利が約束されています。

おん子の治世を完全にもたらすためには、まず聖母の治世を、全世界いたるところに、敷かなければなりません。

主イエスの治世は、無限なものでなければなりません。しかし、今も昔と同じく、世界に王者を与えなければならないのは、聖母です。

サタンは、婦人のかかとによって、これまで見なかったほどに、ふみにじられるでしょう。教会は、かつてない生産力と征服力とを発揮するでしょう。

イエスは、たえず増大していく民の上に君臨し、以前ははげしくさからっていた人びとからも賛美されるでしょう。 

④マリアの兵士

神は、その愛の大事業を遂行するにあたり、人間、特にあるえらばれた人びとを、これに参加させ、ご事業の成否を、これらのえらばれた人びとの、召命に対する忠誠、不忠誠に一任なさいました。

イエスは、おん父からお受けした使命を遂行するにあたり、使徒とその相続者に協力を要求なさいました。同じように、

聖母も、聖母に委託された使命を遂行するために、協力者と兵士とを求めています。

聖母の時世は、聖母の子どもたちが、聖母の使徒的役割を理解して、聖母と一緒に、聖母の指令に従って、戦うことを承諾するとき、実現するでしょう。

あなたは、聖母の使徒的役割を理解しました。それなら、聖母の兵士となってくれますか?

聖母を助けて、聖母の子どもたちをサタンの手から奪いとり、かれらをイエスのみもとに連れもどしてくれますか?

聖母に約束されている勝利を、分かち合おうと思いませんか?


⑤あなたの使命

最初、主は、聖母に対する愛のなかでも、母のひざの上にいだかれている子どもがとる態度を教えられました。

それなのに聖母は、これから、あなたを戦場に連れてゆかなければならないのです。

イエスは、ナザレの家においてのみではなく、十字架上で人類を贖われたときも、聖母の子供でした。

イエスが、聖母の子どもとなられたのは、人類の救い手となるためではなかったでしょうか?

イエスがあなたを召して聖母の愛子となされたのは、あなたをも人類の救い主とするためです。

したがって、あなたは使徒となるか、そうでなければ、聖母の愛子となることを断念するか。二つのうち一つをえらばなければなりません。

2 使徒的聖火 を燃やす

①使徒的聖火

キリストとその母との使徒は、使徒的活動のもっと有力な成功手段は何か?

「キリストと聖母の使徒は

  • 人類を救うべき真理
  • 人類の飢え渇きをいやす幸福
  • 人類が求めている知られざる神などに関する教義

によって、人々の欲求を満たすことができます。」

神の全能の御力によって、あなたは支えられています。

キリストの最初の宣教者たちは、宣教を行ったとき、多くの反対があったにもかかわらず、

無数の人を、しかも驚嘆すべき速度をもって改宗させています。

これはひとえに、熱烈な使徒的聖火が、かれらの胸に燃えさかっていたからです。

②使徒的聖火を燃やす

この聖火こそ、あなたの胸に燃えていなければなりません。

使徒的聖火を燃やすために、マリアと共にカルワリオに登り、十字架にかけられたイエスを正面にして、マリアの横にならび、主の御体と主のご霊魂をながめる。

主がお嘆きになっている理由

おもにおん血をしぼりつくしてまで救おうとされた人々が、自分の受けた苦悩を利用しないのを思われたためです。

人々が主のご苦難を利用しないのは、恩恵に抵抗するからではありますが、また、あがないの事業を継続すべき人々が、主のご苦難を少しも心にかけていないからです。

聖母のご苦悩の理由

  1. 主イエスの御体に対する拷問、主イエスの霊魂の苦しみのため
  2. マリアが地上に産みつつあった多くの人々が地獄に落ちることを、御父と共に予見したため

主イエスのご意志

  1. 永遠の滅びに至るべきマリアの子どもたちを救い、助けること。
  2. 迷えるあわれな子らを、マリアのもとに連れもどすこと。
  3. あなたが、マリアの使徒的使命遂行をたすけること。
  4. 1~3を行い、イエスとマリアを慰めること

真の使徒として成長するために

  1. カルワリオの光景を、絶えず、眼の前に見て、離れないようにする。
  2. 死の苦しみにもだえるキリストの叫びと聖母の嘆きを、常に、聞くようにする。

3 使徒的祈り 

①祈りの人は、たくさんの霊魂を改心させることができる

祈りは、この上のないほどの使徒的効果を持ちます。

祈りは、ただ直接的活動の補いであるばかりでなく、その効果において、あらゆる外的活動を最高に支える使徒的武器です。

祈り:イエスの模範

  • 宣教を開始する前には三十年間祈りつづけました。
  • 三年間の宣教のとき、夜を徹して祈られていました。
  • 人びとに教えられている間も、霊魂の奥では絶え間なく御父と語られていました。

祈り:マリアの模範

聖母はイエスと協力して世の救済に尽力しました。

聖母は説教をしませんでした。教会を支配しませんでした。奇跡を行ないませんでした。しかし、祈りかつ苦しみました。

たくさんの霊魂を改心させた人びとはみな祈りの人です

祈らない人々は、おそらくはみずからの霊魂までも滅ぼして、しかも他人の霊魂のためには、ひとつの善業も行なうことができません。

時折、その活動が救霊の効果を生じたように見えることがあっても、それは、まったく思いがけないある霊魂の祈りのおかげであって、熱心に祈らない使徒には、ほんの少しの報酬も与えられないでしょう。

霊魂を改心させ、聖化し、救うことは超自然のわざです。自然的なものをもって、超自然的なものを生ずることはできません。

超自然は恩恵の結果であり、恩恵は祈りの結果です。ですから、祈れば祈るほど超自然的なものを生むことができます。

②祈りによって使徒となる

外的事業は、それ自身では、ひとつの霊魂すら、改心させ、聖化することができません。

使徒の外的事業は、これに祈りが加わってはじめて効果を生じます。

祈りは、活動が不可能な場合に完全にこれに代わることができます。

神は全能であられます。神は、数かぎりない方法や手段を用いて、霊魂に救いの恩恵を与えることができます。

たとえば、神は、何でもない一語に、不思議な効力を与えることによって、あるいはまた、不幸なできごと、または日常の茶飯事のなかにも教訓をたれて、光明を与え、心を動かし、改心を生まれさせることができます。

使徒に欠けているものは、事業というよりは、むしろ使徒的祈りです。

外的事業によるよりは、むしろ祈りによって使徒となるよう努めることが大切です。


祈りの使徒となる

  1. 霊魂の改心と成聖のために、祈りを倍加するよう努める。
  2. あなたの祈りのひとつひとつに使徒的意向を加える。
  3. 自分のわざ、苦しみを祈りに変え、聖母の手をへて、聖母の意向に従って特定の目的のために神にささげる。
  4. 自分の計画の成功を神に期待して祈る。自分の手腕、説得力に、より多くの期待をかけない。
  5. これらすべてに、その日、全世界においてささげられるミサ聖祭をあわせてささげる。
  • 両親のため、ならびにすべての親愛な人びとのために祈る。
  • 教会、教皇、司教、司祭およびすべての宣教師、使徒のために祈る。
  • あなたのように、聖母の治世がやって来ることによって、イエスのご治世の到来を早めようと、聖母のもとにやって来る人びとのために祈る。
  • あなたが善をほどこそうと努めた人びとのために、その善が永続するよう祈りなさい。あなたが善をしなければならなかった人びとのために祈る。
  • その日に出会うであろう人びとのために祈る。あなたがかれらにほどこさなければならない善を、全部ほどこすことができますように。
  • ある行動をなす場合には、神がこの行動に期待される成功を、実現することができるように祈る。
  • 任務が困難だと思われる場合には、神があなたの無力を補足してくださるように祈る。
  • 任務が容易だと思われる場合には、自分の自然的手腕をたのんで、超自然的効果の発生を妨げることがないように祈る。実践中は、神が、あなたのうちで行動しつづけるように祈る。
  • 行動を終えたときにも祈る。成功したならば神に感謝の祈りをささげる。失敗だと思われるときでも善が行なわれるよう祈る。

神があなたに祈るようにさせてくださるのは、あなたに成功させたいと望まれている証拠なのです。

絶え間なく祈ること。そうすれば、聖母によって、聖母のために、驚異的な事業を成就することができるでしょう。

4 十字架による救い 

①あなたの苦しみを身に負う

苦しみは救霊に重大な役割をもっている

  1. イエスが、ご苦難とご死去とによって世をあがなわれた
  2. 聖母は共贖者となるために、苦しみの母とならなければならなかった
  3. 使徒たちが皆、大きな苦難の道を歩まねばならなかった


人は苦難に見舞われると、その意義を忘れてろうばいし、失望、落胆します。

これらの人びとにとって十字架は、つまずきの種なのです。かれらはおそらく、キリストの罪を清める苦しみを分かたなくても、その罪を清める活動を分かち得るものと考えているのでしょう。

あなたはそうであってはいけません。

あなたは次のようにして十字架を常に背負うべきです。

あなたの十字架を背負う

  1. あなたを待っている十字架を正面からながめ、苦しみを身におう
  2. 人びとの霊魂のために、働き、苦しみ、骨身を砕き、精根を傾け尽くす
  3. 救うべき霊魂の存在するかぎり十字架を背負う
  4. 清めようとする霊魂に代わって自己をいけにえとして捧げ、犠牲を課す
  5. 困難が増すように見えれば見えるだけ、節制と罪を清めるわざに励む

十字架はたくさんありますが、自分でえらんだ十字架ならば、喜んでになえます。病気、貧困からくる十字架ならば、あきらめもつきます。

しかし、人びとの無知、愚かさ、悪意からくる十字架に対してはうんざりする恐れがあります。しかし、この十字架こそ、最もすぐれた罪を清める力をそなえています。

イエスが、あなたを救おうとしてしのばれた苦しみは、人びと、わけてもその地位と職務からして、イエスを助けて同胞の救済をはからなければならなかった人びとの無知、愚かさ、悪意によって打ち立てられた十字架でした。

悪魔が執念深く、あなたの事業を破滅させようと策動するのを見て、驚いかないこと。悪魔は聖母を攻撃するために、聖母の兵士を攻撃します。

②あなたの苦しみを、イエスの苦しみに協働させる

悪魔は、聖母を攻撃すればするだけ、自己の敗北を決定的なものとします。

聖母は、すでに、その頭を踏み砕きました。今後も踏み砕きつづけるでしょう。

とはいえ、苦しみはそれ自身、人を救い、清めることができません。

苦しみは、イエスの苦しみと協働して、はじめて人を救い、清めることができます。

あなたの苦しみについても言えます。あなたはもともと、一人のあわれな罪人にすぎなかったにもかかわらず、イエスと一致させていただくことによって神性にあずかることができました。同じように、

苦しみそれ自身では、なんら効果も生まれませんが、イエスの苦しみと一致させるとき、神からくる力を分かち合うことができます 

③苦難のとき、聖母と共に十字架上のイエスの前に立つ

使徒的活動のなかで、苦難に遭遇したならば、聖母のもとに行きましょう。

聖母と一緒にカルワリオまで登り、イエスの十字架の前に立ちましょう。

そうするならば、あなたは、自分を苦しめ、疲れさせ、打ちのめしている苦しみの無限の価値を、さとることができます。

人びとの愚かさ、悪意からくる苦しみでさえも、こころよくしのぐことができるでしょう。

自分に苦痛を与えた人びとを憎む代わりに、あなたに救いの使命を分け与えたいと望まれるイエスとその母、ならびにこの救いの使命を遂行することによって、救える霊魂に思いをよせるでしょう。

この教えは、きわめて厳しいものですが、しかしまた、信仰と愛と勝利の教えでもあります。

5 具体的な模範による宣教

ことばによる宣教も大切です。しかし、これに先行し、随伴し、継続する宣教方法があります。

それは、具体的な模範による宣教です。

きわめて雄弁なことばも、ある種の霊魂にはまったく無力です。

ことばは、これを受け入れる心がまえのある霊魂にのみ有効です。

具体的な模範は、霊魂にことばを受け入れる準備をさせてくれます。ほんのちょっとした行動、身ぶり、目つき、ほほえみが、長時間の説教よりも好結果をもたらす例は少なくありません。

あなたの信じる教えを、あなたの行ないにおいて尊敬させなさい。

人を恐れず、人に非難されないキリスト者となりなさい。そうすれば、あなたの行いは絶え間ない説教となるでしょう。

あなたの身においてキリストの教えを尊敬させることは、それ自身すでに大きな功績です。

しかし、さらに進んでキリストの教えを愛させなさい。

隣人に同情しなさい。できるかぎり隣人を手伝いなさい。

あなたに近づく者に、親切と愛想をもって接しなさい。すべての人に対してすべてとなりなさい。

かれらがもし、あなたの助けによって、以前よりも幸福を感じるようになるならば、やがて、この幸福の源であるあなたの思想を愛するようになるでしょう。

あなたに近づく者に、ますますあきらかに愛を認識させなさい。愛がどのようなものかを理解した者は、神をたとえその御名は知らなくても、いっそうあきらかに認識することができるでしょう。

なぜなら、神はいつわりではなく、愛そのものであり、愛にむかう心はすなわち神にむかう心だからです。

すべての人に対してすべてとなりたいと思うならば、

隣人のなかにある長所、短所、徳、不徳、善業、悪業に注目せず、かえって隣人のなかにあるキリストのおん血の値、聖母の果てしない苦痛の値をながめなさい。

救い主とその母とが、人類を愛した愛をもって隣人を愛しなさい。

そうすれば、かれらを愛のとりこにし、また愛によって、神に属するものとすることができるでしょう。 

6 使徒としての言葉をもって宣教する

①言葉をもって宣教する

使徒としてのことばをもって、あなたの周囲にキリストの精神を広めるよう心がけなさい

「機会がない」とは口実です。機会はあります。さがしなさい。もし、なかったならば、つくりなさい。

あなたが無力なのは、機会がないからではなく、使徒的熱意が不足しているからです。

使徒として話すとき、必ずしも説教する必要はありません。会う人ごとに、キリスト者の信念をもって語りなさい。人物、事物、事件などに関して、キリストの考えを自分の考えとして、憶せず自分の信じるところを打ち明けなさい。

論争をまれにし、どのような場合にも人をはずかしめず、ただ自分の信じるところをのべるだけにとどめなさい。

真理はみずから、人を魅了する力をそなえています。なぜなら、真理は人を自由にするからです。

真理はみずから、征服する力をそなえています。なぜなら、真理はその輝きをもって、人をひきつけるからです。

いつでも長い説教をしなければならないと考えてはなりません。手みじかな説明、慎重な忠告、簡単な意見、ときとしては、ひとつの間投詞でさえも、まじめで熱心な霊魂に、光明を点ずることがあります。

忘れてならないのは、理屈よりも人格のほうがより多くの人を承服させる力をもっていることです。

単純に、しかも大胆に語りなさい。あなたは、確実な真理を所有しているではありませんか。

あなたのことばが、深い信念から発していることを、これを聞くすべての人に感じさせなさい。ことばと行ないが一致しているなら、容易にことばを受け入れさせることができるでしょう。

あなたが語るのは、勝利を得て喜ぶためではなく、相手に善を施すためであることを、人びとに感じさせなさい。

絶えずキリストの教えを研究して、ますますこれを自分の生活に生かし、そのよりよい証人となるよう努めなさい。

自分の専門の分野において、他者より秀でたものとなるよう心がけなさい。職能技芸においてすぐれたものと認められるならば、宗教的方面においても信頼できるものと思われるでしょう。

使徒的ことばになるためには、長い間の修練が必要です。

②聖母のもとで宣教する

談話を始める前には、聖母にむかって、語るべき事柄を示していただくように祈りなさい。

談話の後には、聖母の前で、誰かをより善良に、あるいは幸福にすることに成功したか、どうすれば、よりよい成功をおさめられるかを糾明しなさい。

使徒的ことばの練磨にさいして、聖母の指導に従うように努力すれば努力するほど、いっそう早く、いっそう完全に進歩することができるでしょう。

なぜなら、あなたは、聖母のために、聖母によって、使徒とならなければならないからです。 

7 従順による一致

あなたと同じく、使徒的あこがれをもつ人々と提携しなさい。

同志の友と共通な思想、共通なあこがれを語るならば、あなたの友も、この思想、このあこがれをいっそう強烈なものとすることができるでしょう。

一致は、ただ、同志の熱誠をし烈にするばかりではありません。その上たぐいない力を与えてくれます。

ひとりの同志と協力するとき、二倍の力ではなく、十倍の力を獲得することができるでしょう。

さらに、一群の同志と堅く結束して一小部隊を組織し、聖母の旗下に進軍するならば、むかうところ敵なしとなるでしょう。

国と国の戦争においては、兵士も上官も、各自の私見を捨て、大きな視野から案出された作戦を…たとえこの作戦がそれ自身、もっとも完全なものでなくとも…一致協力して遂行する軍隊の方が、勝利を得ているではありませんか。

教会の聖なる戦いにおいても、もっとも成功を勝ち得たものは、従順の誓願を守って、長上の指導に、絶対服従を守らねばならない修道者の精鋭です。

現実の善行は、非現実の大きな善行にまさります。力は一致のなかにのみ存在し、一致は犠牲によってのみ可能です。

自分の勝利をあとにして、公の勝利を先にしなければなりません。

 

8 マリアをのべ伝える

イエスに至る道であるマリア

イエスがあなたを聖母のもとに導いてくださったのは、あなたを聖母の愛子とすると同時に聖母の使徒とするためです。

イエスはあなたが聖母の名において行動するだけではなく、さらに進んで、聖母の名を宣べ伝えることをお望みになります。

使徒となる者は、霊魂をキリストのみもとに導き、霊魂にキリストを与えなければなりません。

聖母はキリストにたどりつく道です。キリストを世に与えたのは聖母です

霊魂をキリストのみもとまで導こうと思うならば、キリストにたどりつく道を明示しなさい。

キリストを霊魂に与えたいと思うならば、その使命を託されている聖母をさし示しなさい。

イエスは、マリアを通して、ご自身を与えることを望まれます

使徒的活動に聖母を参与させることはイエスの希望です。

イエスは直接ご自分を人類に与えることがおできになるにもかかわらず、聖母の手を借りないではご自分を与えることをなさいません。

イエスは、ご自分をあらわされると同時に、聖母もあらわされています。

  • 預言者たちの預言によってご自分を啓示されるとき
  • 先駆者ヨハネを清めるとき
  • ベツレヘムの牧者と三博士、シメオンとアンナの礼拝を受けられたとき
  • カナの婚宴に列席されたとき
  • カルワリオにおいて死去されたとき

今もなお、聖霊によって導かれるその神秘体をもって、イエスはたえず聖母を宣べ伝えています。

そして、イエスは、聖母を経て、ご自分のもとに来るよう教えられるのです。

また、イエスはあなたに、聖母に対するご自身の愛を模倣するよう教えました。

イエスは、新時代において、聖母の名を示し、聖母を知らせ、愛させることによって、霊魂を聖化し、救済しようと望んでおられます。

聖母を人びとに宣べ伝える者は、イエスが聖母のために取っておかれた勝利を、格別な仕方をもって分かつでしょう。

聖母を宣べ伝える

イエスの期待にそうことができるよう、力のおよぶかぎり聖母を宣べ伝えなさい。

これはまた聖母自身の期待でもあります。

聖母には、自分の母さえ知らない子ども、また知っていてもきわめて不完全にしか知らない子どもがたくさんいます。

どうぞ、かれらに母を示してあげてください。聖母はかれらを抱擁し、愛撫してやりたいのです。

かれらを聖母のところに連れもどしてください。聖母はかれらを、あなたのように長子イエスに似せて育てあげたいのです。

聖母を知らせ、愛させる方法

  1. 聖母に対し、霊魂に対して、熱心な愛を燃やす。
  2. あなた自身が、聖母に対して特別な敬意をささげていることを人びとに認めさせる。人目をはばからず、ロザリオをとなえ、メダイを身につけ、聖母のほまれのために行なわれる公の祝祭に参加しなさい。それと
  3. 行ないをもって、人を恐れず、人に非難されないキリスト者であることを示す。そうするならば、あなたの行ないそのものが、もはや雄弁に、聖母を宣べ伝えてくれるでしょう。
  4. 機会をみて、聖母との一致の生活に関する自己の確信と体験とをそれとなく話す。
  5. 公の言論、文筆などによって、聖母を宣べ伝える機会を与えられるならば、喜んでこの特典を活用する。
  • 泣きぬれている霊魂に、「悩める者の慰め主なる聖母」のご絵を示す。
  • 徳を守るため、あるいはこれを回復するために戦っている霊魂に、自分によりすがるいっさいの人を純潔にする使命を託されている「いと潔きおん母」に依り頼むよう、勧める。
  • イエスと親密に一致したいと望んでいる霊魂に、あなた自身がどのようにして、イエスと密接に一致したかを、それとなく伝える。
  • 使徒的活動している霊魂に、聖母の名において、聖母の指令を仰ぎながら戦うことが、驚くようなよい結果となることを、語り聞かせる。


「聖母を宣べ伝える者は、永遠の生命を得」さらにこれを周囲の人びとにも、分け与えることができるでしょう。

 

9 マリアの意向に従い行動する

聖母へ信頼して活動する

使徒的活動の遂行は、あなただけではできません。しかし、聖母に信頼するならば、驚くべき大事業を成し遂げることができます。

あなたの使命の成功に対し、確信をもって活動できるための二つの真理

真理1、あなたの使徒的活動は聖母の使徒的事業であり、あなたの利益は聖母の利益で

神から、へびの頭を踏み砕き、この世におん子の国を確立する使命をゆだねられた者は、聖母であって、あなたではありません。あなたはただ、聖母の使命を分かつにすぎません。

聖母はキリストの軍隊の総司令官であり、あなたは聖母の兵士です。

救いを求めている子らは聖母の子どもであって、あなたの子どもではありません。

母は、その子の救霊を他人よりもはるかに深く熱望します。司令官は部下よりも深く、勝利を熱望します。

聖母はあなたよリも無限に、密接にイエスの利害に結びつけられています。

あなたが、あなたの成功に無関心であっても、聖母は無関心ではいられません。

聖母は神の恵みを受けて恵みの分配者となりました。そして、この恵みを自分の名において活動する人びとに分け与えるのです。

真理2、聖母の意向は、あなたが聖母の名において行動するならば必ず実現されます

聖母はあなたの使徒的事業のひとつひとつの上に愛に満ちた意向を持っています。聖母の意向は、いつもあなたの意向よりは完全です。

なぜなら、聖母はあなたをあなた自身よりも深く愛しており、またイエスと霊魂とをあなたよりも深く愛しているからです。

聖母の意向は、いつもどんな場合にも完全に実現されます。聖母の意向は、あなたが聖母の名において行動しさえすれば間違いなく実現されます。

ですから、どんな障害に出会っても、聖母の名において行動するならば、いつも予期以上の成功を収められるでしょう。

聖母の名において行動するならば、いつも成功を収めることができます。

聖母の名において行動するとは、聖母の意向どおりに、聖母の使命と恵みとに参与するという自覚をもって行動することです。

聖母の名において行動する

  1. あなたの使徒的活動に欠けている聖母の期待が実現されるよう、あなたの祈りと苦痛とを、聖母の手を経てイエスにささげる。
  2. どんなことを計画するにも、まず聖母に祈る。そして聖母の意向が何であるかを考えた後、聖母の手足となって働く。
  3. 成功を確信して事業に取りかかる。聖母が、あなたによって働いているからです
  4. 自分の意向が、聖母の意向に取りかえないよう警戒する。始業前には聖母のために働くと誓っておきながら聖母の意向に従って行動するという心がまえを失うならば、成功はおぼつかなくなってしまいます。
  5. 常に、聖母の精神によって導かれるように心がける。絶えず、聖母のことばかり考えることは不可能であるとしても、いつも、聖母の精神に導かれることはできます。
  6. 時折、あなたの意向を更新する。もしも、自分の意向が聖母の意向にとって代わっているのに気づいたならば、そのつどこれを改めるよう心がける。
  7. 行動の終わりには、成功したならば、神に感謝する。失敗したならば、自分を反省する。

聖母のいないところには成功はなく、聖母のいるところに失敗はありません

聖母の名において行動しなかったならば、失敗は当然です。

聖母の意向に自分の意向を合わせ、たえず聖母によりすがるよう心がけたら、失敗と見えても、実は失敗ではなく、ただ成功が遅延されているにすぎません。

神はおぼし召しになった時期に、あなたの努力と信頼とに比例した成功を与えてくれるでしょう。キリストはたたえられ、あなたの母はあがめられ、霊魂は救われるでしょう。

聖母のいないところに成功はなく、聖母のいるところに失敗はありません。 

ああ、おん母よ、わたしはあなたを信じます。主イエスがあなたに委託された使命を信じます。あなたに依頼するとき、力ある者となることができることを信じます。どうぞ、わたしが自分自身のために行動するたびに、完全な、あきらかな失敗をわたしに与え、わたしをただあなたのためにのみ行動するよう仕向けてください。そうすれば、有効な助力をあなたにささげ、多くの霊魂をイエスのみもとに導くことができるでしょう。わたしは昼間は各時間ごとに、夜はめざめるたびに、つぎの射祷を愛唱したいと思います。「無原罪のおとめマリアによって、父と子と聖霊が、いたるところであがめられますように」 

10 イエスの聖母に対する愛を模倣するとは

イエスの聖母に対する愛を模倣するとは、聖母の指導のもとに、聖人、使徒となることであり、世の救いのために聖母の子どもとまでなられた神のおん子イエスに転化することです