わが理想2部 理想を実現するためには

 「わが理想」の2部を短くまとめています。

 

■目次

1 イエスのように自分を、残りなく聖母に与える

①イエスは、自ら望んで、永久に、まったく、聖母に従う者となる

聖母とイエスのあいだにある従属関係は、いかなる母子間の従属関係よりもすぐれています。

他の子どもは、いつまでも母に従属しているわけにはゆきません。しかし、

イエスは、自分から望んで、永久に、まったく、聖母に従属する者となりました。

他の子どもは、自分の母を離れて、あらたに家庭をいとなみます。しかし、

イエスは、聖母を離れ去ったことはありません。

地上おいて、イエスは、時期がくるまで、聖母のそばで生活し、

別れたのちも十字架上の犠牲にいたるまで、意志をもって完全に聖母と一致していました。

なぜなら、聖母は、一瞬でさえ、おん父の意志から離れたことがなかったからです。

天においても、イエスは、聖母の子供であることを自覚されています。また、永久に自覚するでしょう。

イエスは天国の王者であり、統治者でありながら、

聖母の母としての心から発する希望を、永遠に、完全に、子としての心で、愛をもって聞きとどけるでしょう。


②イエスにならい、すべてを聖母にささげる


イエスにならい、自分を、まったく、残りなく、永久に、愛子として、聖母にささげる。

すべて聖母にささげる。内にも外にも、聖母に属さないものが、なにひとつないようにする。

イエスにならい、ひたすら、子の心をもって献身する。

すべてを聖母にゆだね、あなた自身はすべてを残りなく、愛をもってささげることだけを考える。


③聖母にむかって、しばしば献身をあらたにする習慣を養う

聖母に献身を新たにする5つのとき

  1. 朝、目が覚めるとき(この日一日が、聖母のものになるように願う)
  2. 聖体拝領のとき(イエスを受け一致しているとき、自分を、聖母に、いとし子としてささげる)
  3. 午後三時(イエスのご死去の時間、聖母が、イエスを犠牲とし、あなたを生んだ時間に起きたことを黙想する)
  4. 大事な任務のまえ(聖母のために働くことを思い起す)
  5. 試練に直面したとき 献身をあらわすために次のように祈る。「おん母よ、愛の熱意にかられて、全てをあなたに奉献したとき、このような犠牲に出会うとは思いませんでした。けれども、一度、覚悟を決めて奉献した以上、これを取り消す考えはありません。あなたのお望みになることは、どんなにつらくとも、実行いたします」。


聖母に対する献身を、絶えず、完全にするためのおしみない心を持ちたいならば犠牲を見つめることなく、イエスと聖母とに目を注ぐことそうすれば愛に刺激され、恩恵に支えられるでしょう。

もしも、勇気がくじけるのを感じるならば、祈ること。そうすれば、必ず必要な力は与えられます。



2 イエスのように聖母を愛する (その理由)

①イエスが、聖母を愛した理由を黙想し、イエスの感じたところを感じる

イエスがマリアを愛した理由を黙想し、

次に、

イエスの身になって、イエスの聖母に対する愛を黙想し、イエスの感じたところを感じるよう努める。



  1. 聖母は、聖人たちが与えた喜びを合わせたよりも、大きな喜びを与えるからです
  2. 聖母は、諸天使、諸聖人の愛を合わせたよりも、さらに大きな愛をもってイエスを愛するからです
  3. 聖母は、イエスのために痛ましい苦難を喜んでしのいでくれたからです
  4. 聖母は、イエスを助けて、イエスがおん父から委託された使命を、円満に遂行させたからです
  5. イエスは、聖母から人性を受けたおかげで、人びとに福音を宣べ、かれらのために死ぬことができたからです
  6. 聖母は、イエスの使命を行うにあたり、その意志、その願い、その犠牲をもって、イエスと一致し、十字架のもとにいたるまで、イエスのそばを離れなかったからです。
  7. 聖母は、世の終わりにいたるまで、罪人を立ち返らせ、義人を聖化し、数知れない霊魂をイエスのもとに連れ戻すために、働いてくれるからです。
  8. イエスは、聖母を完全な方法をもってあがなうために、他のすべての人びとをあがなうために果たしたことよりも、偉大なことを果たしたからです。
  9. 聖母のおかげで、無限の価値がある礼拝と罪の贖いと栄光とを、おん父にささげることができたからです。
  10. 聖母がイエスと心を合わせて、おん父の敬愛の誠をつくし、おん父を拝み、とうとび、愛したからです。
  11. 聖母によって、人びとがいっそうよくおん父を理解し、おん父に対して、いっそうの子心を抱くことができるからです。
  1. どのように、永遠から聖母をえらんで、多くの特権を与えたか
  2. どのように、聖母と一緒に親しく暮らし、聖母を彼の使命に参与させたか
  3. どのように、聖人たち、および、天上、地上の聖なる教会によって、聖母を愛しているか、また、永遠に愛しつづけるのか


②聖母が、あなたを愛する理由

  1. イエスがあなたを愛して、あなたのために死んだからであり、聖母はイエスの愛するものを愛しているからです。
  2. イエスが聖母をあなたの母となしたからであり、母は愛だからです。
  3. あなたが聖母にとって言語に絶する苦痛のたねとなったからであり、母は、苦労をかけた子どもほどよけいに愛したがるものだからです。
  4. あなたを生むために、イエスを死の手に渡さなければならなかったからです。
  5. あなたとイエスとが一体であり、あなたを愛することは、イエスを愛することだからです。



3 イエスのように聖母を愛する(その方法)

①聖母を愛するために、聖母のために働くことを望む

あなたが聖母を愛するならば、聖母のために働きたいと願うでしょう。

あなたの活動、余暇、苦しみを、喜んで聖母に与えなさい。

聖母の栄光のためだと思うならば、どんな労苦も重すぎることはなく、聖母のためだと考えるならば、どんな計画も不可能とは思わないでしょう。

あなたが聖母を愛するならば、聖母のために苦しみたいと願うでしょう。

聖母のために苦しむべきときになって、聖母を愛するのをやめる者は聖母を愛していなかったと言わなければなりません。

このような人は、聖母から受ける慰めを愛したのであって、自分を愛したにすぎないのです。

苦しむことを拒んではなりません。苦しむことを拒むのは、愛することを拒むのと同じだからです。

苦しみを受け入れるだけでなく、進んでこれを愛しなさい。

苦しみに愛を表明することを喜ばないでいられるでしょうか!

愛を深める苦しみを喜ばないでいられるでしょうか!


②聖母への愛を深めるための四つの方法

聖母への愛を深めるための四つの方法

  1. 日常生活から生ずるきわめてささいな、しかも数知れない骨折りと犠牲とを、できるかぎリの愛をこめてささげるよう心がける
  2. たえず、聖母を研究する(聖母の栄光、使命、生涯、聖母に奉仕した人々など)
  3. 聖母と、どんな時も、イエスのように、一致して生活する
  4. 聖母を愛する恩恵を、イエスに祈り求める。



③イエスに、聖母に対する愛を絶えず大きくする恩恵を願う

「主よ、あなたが聖母を愛する愛でもって、聖母を愛することができますように」


イエスのようにマリアを愛する恩恵を、ためらうことなく、毎日、イエスに願うこと。

なぜなら、この恩恵は、イエスの望みと一致しているからです。

特に聖体拝領のとき、イエスがあなたのうちにくだってあなたと一致するときに祈り求める。

ためらうことなく、毎日願うこと、そうすれば、必ず与えられて、完全な喜びを味わうことができるでしょう。




4 イエスのように聖母に服従する 

①イエスの模範


イエスのマリアへの服従の模範

イエスは、赤ん坊であったころ、自分をまったく聖母のなすがままにまかせました。

イエスは、聖母の意のままに、馬ぶねに休み、腕に抱かれ、乳をのみ、産着に包まれ、あるときはエルサレムに、あるときはエジプトに、また、あるときはナザレに連れて行かれました。

イエスは、成長して力がつくころになると、聖母の希望を、すぐに、喜んで行いました。命令を待たず、推測しただけでも行いました。

三十歳になるまで、聖母のそばを離れず、その希望はどんなにささいなものでも、いつもかなえていました。

イエスにとって、聖母に服従することは、言い知れない喜びでした。

イエスは、この服従によって、聖母がイエスのためになしたこと、特に、後日イエスのために苦しむことに対して、ご恩返しをしたのです。

イエスは単純に聖母に服従しました。なぜなら、イエスは、聖母にとって神であると同時にその子であり、聖母は、イエスにとって母であると同時におん父の代理者だったからです。

聖母もまた、単純にイエスに命令し、イエスを指導しました。そして、イエスがごくささいなことまで果たすのを見て、言い知れない喜びをおぼえていました。

あなたがもし、このような喜びを聖母に与えたいと思うならば、イエスにならって、聖母に服従しなければなりません。


②聖母の命令を絶えず実行する


聖母のまことの子どもは、聖母の希望を絶えず実行する者です。

聖母の希望はイエスの希望と、まったく一致しています。

聖母の希望その①自分の身分上の義務を果たす

自分の義務を聖母に対する愛のために果たすように心がける。

聖母のために行うので、義務の大小、難しいか易しいか、快よいか不快か、人目に立つ、立たないなどを問題にしない。

聖母を喜ばせるために、長上に対して、より従順に、同輩に対してはより親切に、目下に対してはより温和に、万人に対してはより愛深くなるよう努める。

従順にはより正確に、任務にはより誠実に、試練にさいしては忍耐深くなるよう努める。

以上のことを、最大の愛と喜びとをもって実行する。

困難な任務、無趣味な仕事を命じられても、単調な義務がつづいても、微笑をもって、これをむかえること。むしろ、この微笑を聖母にむける。

聖母は、あなたが自分の義務をたのしく実行することによって、愛を表明することを要求しているからです。

聖母の希望その②その人に対する個別の希望

聖母は、恩恵のささやきによって、その希望を告げ知らせます。

例えば、快楽を断ち、性癖をおさえ、過失や怠慢をつぐない、善徳を実行せよという恩恵の要求は、まさしく聖母マリアの要求なのです聖母が、恩恵によって、やさしく、愛をこめて、自分の希望を告げ知らせているのです。

聖母の声を聞きわけて、その声が聖母の声であるとわかったならば、その慈愛に信頼し、何ごとを要求されても、「はい」と答えること。


5 イエスのように聖母を敬う  

①聖母を敬う(イエスの模範)

(イエスは神です。天使たちは、イエスの前に顔を伏せ、おののきながら、礼拝しています。

それでも、イエスは、へりくだって聖母を敬いました。

なぜなら、イエスは神であるとともに、聖母の子どもであるからです。

「父母を敬いなさい」という掟を与えたのはイエスです。それゆえ、イエスは、みずから率先して、この掟をきわめて完全に守らなければならなかったのです。

イエスが聖母を敬ったのは、聖母がイエスの母、たぐいなく清く、とうとい母であり、天の父の代理者だったからです。

イエスが、幼年時代、少年時代、成年時代をとおして、どれほど深くやさしい尊敬をもって聖母にあいさつし、聖母と対座し、教えを聞き、聖母と語り、そのすべての望みを、満たしたかは想像できないほどです。

聖母は、イエスの礼儀をおん父の御旨と信じ、心の中で絶えず、「主は、身分の低い、この主のはしためにも目を留めてくださった」と繰り返しながら、すなおにこれを受けていましたが、そのときの様子は、まことに幸福そうでした。

イエスが聖母を敬うため行なったわざは、これまで述べた礼儀よりも、はるかにすぐれていました。

イエスが聖母を愛し敬うために行ったこと

  1. 聖母に原罪の罰を免除する
  2. 全被造物が受けた恩恵を合わせたよりも大きな恩恵を聖母に与える
  3. 聖母にイエスの贖罪的使命を分かつ
  4. 天地の女王の栄冠をさずける
  5. 教会、信徒たち、聖人たちの聖母への崇敬を通して、イエスは聖母をほめたたえる


②イエスのようにマリアを敬うためにすべきこと

イエスのように、イエスの望み通りに、聖母を敬うためにすべきこと

  1. 絶えず、聖母の栄位、特権、完徳、使命を黙想する
  2. 自分の虚無と悲惨とを思って、謙遜になる
  3. あなたの霊魂に、イエスの霊魂の思いを取り入れる。イエスの目をもって聖母を眺め、イエスの精神をもって聖母を賛美し、イエスの心をもってその美をたのしむ。
  4. 一定の信心を定めて、毎日おこたらず実行する。
  5. 聖母のための祈りの集会や祝祭に参加する。
  6. 聖母の栄光を高めるために、進んで犠牲をささげる。
  7. 周囲の人びとに聖母を知らせ、愛させる
  8. 全てを聖母に奉献し、聖母のために、聖母の旗のもとで、戦う
  9. 行ないを正し、聖人になる
  10. 聖母を愛し敬わない人々にかわりに、聖母を敬う
  11. 全力をあげて聖母を敬う敬いすぎることは決してない。なざなら、あなたは決して、イエスが敬った程度、イエスが希望している程度に、聖母を敬うことができないからです。 


6 イエスのように聖母に似た者となる

①イエスの霊魂は、聖母の霊魂と酷似していました

イエスは、ただ聖母ひとりから生まれました。そのため、イエスの外面は、まったくおとめである聖母と聖母に酷似していました。イエスの霊魂は、外面以上に、聖母に酷似していました。

おん父は、あらかじめ、聖母をイエスに似せて創造しました。

そのうえ、

聖母は、イエスの言行を絶えず観察し、黙想することによって、イエスの心情を、残らず、しかもこのうえもなく完全に、修得していました。

したがって

イエスとマリアのふたりのあいだには、何ごとにつけても、思い、感情、望みの一致がありました。



②イエスにならい、聖母に酷似するように努める

イエスが聖母に酷似していたように、あなたも聖母に酷似するよう努める。

外面的には、つつしみによって聖母に倣う。

内面的には、聖母の諸徳を模倣する。

聖母にならい、諸徳をまずイエスのなかに学ぶ。つぎに、聖母を眺めて、聖母がこれらの諸徳をどのように模倣したかを研究する。



③聖母の諸徳を模倣する

模倣すべき聖母の諸徳

  1. 純潔を守る。
  2. 「主のはしため」が自分を忘れ去ったように、自分を忘れ去る。
  3. 謙遜に、質素に生活する。
  4. 聖母にならい、イエスについて啓示された真理を、ことごとく黙想する
  5. 聖母が信じたように、主のことばを信じて、信仰を堅持する。
  6. 神の御旨には、どんな場合にも、「わたしは主のはしための子です。おことばどおり、この身に成りますように」と答え、服従する。
  7. 近い者に対しての隣人愛。
  8. 聖母の諸徳のなかで、特に、あなたに不足しているもの、また、もっとも必要を感じているものを、模倣するように心がける。
  9. 聖母が、側近者に対して抱いていた思い(特に聖ヨセフに対して)
  10. 聖母がイエスに対して抱いていた思い


④イエスを模倣して、マリアと接することから得られる実

あなたがもし、イエスの模範に従い、イエスのように、聖母と親しく接するならば、

イエスのためだけに生き、イエスの利益のために、すべてを犠牲にすることを、短期間のうちに、完全に修得するでしょう。

なぜなら、あなたがイエスの身になって聖母の心情を観察するならば、あなたを引きつけ、変化させるこのうえもない力とやさしさ、知と愛、特殊な恩恵をそなえた力が、はたらくにちがいないからです。

あなたがもし、親しく聖母と接するならば、母子のあいだにある一種の心の動きによって、聖母がイエスと起居をともにして感じ得たことを、感じ得るでしょう。

聖母と親密に暮らすとき、容易にイエスの心情を体得することができる

⑤マリアを模倣して、イエスと接することから得られる実

聖母を模倣することにより、あなたは、天におられるおん父および聖霊と親密な関係をむすぶことができるでしょう。

なぜなら、おん父は聖母を、その無原罪の宿り以来、自分の愛娘としていつくしみ、聖霊は、聖母を自分の浄配にえらんで、限りなく愛しているからです。

聖母を模倣することにより、あなたは、もうひとつの心情、すなわち、霊魂に対する果てしない愛を吹き込まれるでしょう。


7 イエスのように聖母に信頼する

①聖母を信頼する(イエスの模範)

イエスは、必需品に関する配慮をすべて聖母に一任しました。

イエスは、空の鳥をやしない、野の百合を美しくよそおわせているにもかかわらず、ほかの子どもたちと同じように、物質的援助の必要な者となりました。

聖母は、イエスをやしない、世話をしました。イエスはそのすべてに信頼していました

生命が危険にあったときも、イエスは心配しませんでした。聖母は、やすらかに眠るイエスを両腕に抱いて、他国に難を避けました。

イエスは、自分の使命を達成するためにも、聖母の助けをかりました。

新しいアダムとして原罪をあがなうために、イエスは聖母に、新しいエバとして意志と祈りと犠牲とによって、イエスに協力してくれるよう求めました。すると、聖母は、完全にイエスの意向を理解して、いさぎよくこれを引き受けました。

イエスは、罪の贖いの使命に付随する幾多の苦悩におそわれたときも、聖母にたよりました。

イエスは、死ぬほど悲しんでいるとき、聖母はイエスに、果てしない慰めを与えてくれました。

聖母は、イエスの気持ちを理解し、霊と真実とをもって礼拝し、イエスの苦味を分け合ってくれました。

人々がイエスを攻撃すればするほど、聖母はますますイエスを愛してくれました。

聖母は、イエスの私生活、公生活を通じて、絶えず、イエスと一緒に目ざめて祈りました。

十字架のもとで、すべての人が信仰に動揺をきたしたときも、聖母だけは、不動の信念を抱いて立っていました。

②聖母に信頼する理由

イエスならい聖母に信頼する理由

  1. 聖母はあらゆる力をそなえているからですイエスは聖母をすべての恩恵の分配者として定めた。聖母は、望むところを、望む者に、望むときに与えることができます。
  2. 聖母はやさしさに満ちあふれているからです
  3. イエスは聖母の子どもです。イエスは聖母の願いを断ることはありません
  4. あなたは聖母の子どもです。聖母は、その子に、与えるものを、断ることはありません
  5. 聖母は、あなたよりはるかに寛大です。
  6. あなたが、聖母に何かを与えるならば、イエスに何かを与えることになるからです。
  7. 聖母は、あなたが自分を愛するよりもなおいっそう深く、あなたを愛しているからです。それゆえ、聖母の与えたいという望みは、あなたの受けたいという望みよりも大きいのです。


私たちはマリアに対して不動の信頼を置くべきである

ためらうことは聖母を悲しませます。なぜなら、ためらうことは、あなたとイエスとに対する聖母の愛を疑うことになるからです。

あなたの怠りは大きいにちがいありません。しかし、聖母の愛よりは大きくないのです。

あなたが善良だから、信頼しなければならないのではなく、聖母が慈愛にみちあふれているから、信頼しなければならないのです。

あなたが悪くなると同時に、聖母も慈愛を失うということはありません。


②聖母の意向に従い生活する

聖母の意向

  1. 聖母は、あなたの要求のひとつひとつについて、愛にみちた意向を持っています
  2. 聖母の意向はいつも、神の計画と合致していて、いつも、実現性を持っています
  3. 聖母は、なにがあなたに必要であるかを、あなたよりもはっきりとわきまえており、あなた自身が抱いている期待よりもはるかに大きい期待をあなたにかけています。したがって聖母の意向は、あなたの意向よりもすぐれています。

聖母の意向に、あなたの意向を従わせる

なにかの願いが起こるたびに、聖母にむかって、「この願いがあなたのご意向どおりに実現しますように」と祈るならば

確実に、そのとおりに、希望したものよりもすぐれたものを与えられるでしょう。

しかも、あなたのあさはかな思慮のはかりにかけてではなく、聖母の果てしない愛のはかりにかけて与えられるでしょう。

主よ、これからは、必要あるごとに、聖母に向かって、「私に対する聖母の希望を実現させてくださるように」と祈ります。そうすれば強い信仰をもつことができ、どんな大きな願望も実現します。



8 イエスのように聖母と一致して生活する

①イエスが聖母に一致して生活する中で味わった喜びを思う

イエスが聖母と密接に一致して生活するなかで味わった喜びを黙想する

九か月間聖母の胎内にあって、聖母に絶えず宿されていたときのイエスの喜びを黙想する。

イエスは、他の子どもたちとはまったくちがって、地上における生涯のその瞬間から、自分の母を認識し、絶え間なく、聖母と思いと愛とを交換していたのです。

三十年の間、イエスが聖母とともにこのうえなく親密な生活を送ったとき、イエスが味わった喜びを黙想する。

聖母と聖ヨセフだけを伴侶として、暮らした三十年の久しい月日は、イエスにとって、どんなにたのしかったことか

③イエスが、残る三年間に味わった喜びを黙想する

誤解した民衆、ものわかりのにぶい弟子、極悪な敵に取りかこまれながらも、ナザレのささやかな住居のなかにあってイエスを思い、理解し、愛し、イエスの使命達成のために、絶えず祈りと犠牲とをおん父にささげている聖母の姿を思いうかべるとき、イエスが味わった喜びはどれほどだったでしょう。

言うまでもなく、このほかに喜びがなかったのではありません。しかし、これらすべての喜びを合わせたとしても、イエスが聖母との一致のなかに見いだした喜び、イエスとマリアのふたりの霊魂がひとつにとけあった境地において、味わった喜びの最小のものにも及ばないのです。

②イエスのようにマリアと一致して生活することで、得られる実

イエスはあなたにも、この一致と、そこからわき出る喜びを分かち合うことを望まれています。

イエスのようにマリアと一致して生活することで得られる実

  1. あなたは、そこに、尽きない慰めを見いだすことができます
  2. イエスがさきに示した聖母に対する愛の他のことも、きわめて容易に実践することができるようになります。
  3. あなたは本能的に聖母に対する献身をあらたにし、完全にするように努めるようになるでしょう。
  4. 聖母に対する愛が日増しに成長していくのを覚えるでしょう。
  5. 聖母の意志には、どんなにささいな望みにも容易に従うことができるのを感じるでしょう。
  6. どのような敬いが、もっとも聖母を喜ばせるかを推測することができるでしょう。
  7. 自発的に、聖母の諸徳とその心情を模倣するでしょう。
  8. 聖母の慈愛に対して、ゆるぎない信頼を抱くことができます。


その他に、聖母とともに生活するならば、以上で説明しなかったことがらを、数多く学び知ることができるようになります。なぜなら、あなたの心が、ひとりでに、これらの新しい事実を発見するでしょうから。

③聖母と一致して祈る

聖母と一致して祈る

  1. 毎日忠実に聖母に対する献身をあらたにする祈りをとなえる
  2. 毎日聖母にささげようと決心した祈りを、欠かさずとなえる。(ロザリオなど)
  3. 日中しばしば目をあげて絶え間なくその子どもたちを見守ってくださる聖母をながめ、祈る。
  4. 聖母に祈るときには、イエスの名において祈る。イエスがあなたの口と心とをかりて聖母をほめ、愛しつづけていることを思い起こす。
  5. おん父、聖霊、イエスと語りたいとき、まず聖母と一致する。聖母とともに祈るときにはあなたの貧しい思いに、聖母の完全な思いが加わるのですから、潜心はより深く、信仰はより堅固に、信頼はより完全に、愛はより熱烈になるでしょう。
  6. 聖体拝領でイエスと一致しているとき、聖母に、あなたをイエスに変えてくださるよう祈る。

④聖母と一致して行動する

イエスは聖母のために、聖母とともに働きました。

イエスの模範に従い、聖母と一致して行動する

  1. あなたの行ないをひとつひとつを聖母に奉献する。
  2. 聖母の望むことを、聖母が望むゆえに、聖母が望むままに実行する。
  3. 決して自分を追求することなく、ひたすら、聖母の御旨どおりに行動するよう心がける。
  4. 行動のあいだ、一瞬でも、心の目をあげて、聖母に対する奉献をあらたにする習慣を養う。
  5. あなたの霊魂のあらゆる心の動きを聖母と一致させるように心がける。聖母の喜びは自分の喜び、聖母の悲しみは自分の悲しみ、聖母の希望は自分の希望、聖母の心配は自分の心配、聖母の愛は自分の愛、とする。

⑤聖母に、あなたの心のすべてを打ち明ける

あなたの心を乱す事柄、あなたの心を動かす事柄を、すべて聖母に打ち明ける。聖母は、あなたの心の奥底に何があるかを見抜いています。聖母は、あなた自身がわからないことまでも知り尽くしています。

聖母に、心のすべてを打ち明ける

  1. 悲しいときには、その悲しみを聖母に訴える。聖母はあなたを助けて、これを忍耐させてくださるか、あるいはこれを喜びに変えてくださるにちがいありません。
  2. しあわせなときには、そのしあわせを聖母に語る。聖母はこれを、一層深いもの、清いものとしてくださるにちがいありません。
  3. 落胆しているときには、あなたの心配または失敗を、聖母に語る。聖母はあなたに、まことの成功を得させてくださるでしょう。
  4. 仕事に成功したときには、聖母に感謝をささげ、その効果を確保してくださるように祈る
  5. 岐路に立ち、途方に暮れているときに、聖母の意見を仰ぐ。聖母はあなたを照らし、導いてくださるでしょう。
  6. 気力も精力も尽き果てているときに、聖母のもとに走り寄って、力を回復する。
  7. 深い感動ばかりでなく、日常の務めから受けるありふれた印象や感想までも、残らず聖母に語る。これが子の母に対する態度であり、またわたしが聖母のそばにあったときにとった態度でもあるのです。

聖母を「お母さん」と呼び、目を注ぐ

絶え間なく聖母と関係して生活するためには、多く語る必要はありません。子どもがどのように母にその感情を示し、要求を告げるのをまねることもできます。

聖母に要求を告げ、感情を表明するとき、ただ簡単に「お母さん」と呼ぶ。

それぞれの場合に応じて、あるいは愛、あるいは務めの奉献、あるいは苦悩、あるいは感謝、あるいは喜び、あるいは悲しみをこの一語にこめて、しばらく聖母に目を注ぐ。

聖母はあなたの気持ちを理解し、あなたの申し出に適格な返答をしてくださるでしょう。

9 聖母は、あなたを養育することを望まれます

聖母は真実の母親がその子を養育するように、イエスを養育し、またイエスの罪の贖いの使命に参与しました。

聖母はまた、あなたをも養育して、その共贖者としての使命を分かちたいと望んでいます。

主よ、わたしはあなたのご希望どおりに、聖母に対するあなたのご心情、ご行為を模倣し、あなたがわたしによって聖母を愛しつづけることができるようにしたいと思います。御母よ、わたしはあなたの助けによって、今ひとりのイエスとなる覚悟です。私を教え導いてください。