霊魂の歌

これは、すでに完徳の状態にある霊魂がの世において神との愛の完全な一致に達するために、霊的な道を進んでいくありさまを歌った詩である。完徳とは、神との一致であり、これを歌っている霊魂は、永遠の生命に至る狭い道の霊的修練によって、すでにきびしい試練と苦悩を体験している。その霊魂は、その狭い道を「暗夜」と呼び、この道を通って完徳に達したことを、非常に幸運とし歌っている。そして、この完徳に達した霊魂が、自らのうちに所有する特質についても述べ、それはすべて、これらの歌の中に含まれている。

1・ある暗い夜に、
愛にもだえ炎と燃えたち、
おお、すばらしい幸運!
気づかれずに私は出て行った、
我が家はすでにしずまったから…

2・暗闇の中に 安全に、
装いを変え、秘密の梯子で、
おお、すばらしい幸運!
顔を覆って闇の中に私は出て行った、
我が家はすでにしずまったから…

3・この幸いな夜に
誰にも見られず、何も見ないで、
ひそかに私は出て行った、
心に燃え立つ光の他には
何の光の導きもなしに。

4・その光は私を導いた
真昼の光よりも確かに、
私のよく知っている あの方が
私を待つあの処―
誰ひとり居ない あの処に。

5・おお、導いてくれた夜よ!
おお、黎明より愛すべき夜!
おお、愛する者と愛された人を
結んでくれた夜!
愛された人を愛する者に変容しながら…

6・あの方のためにだけ
ひたすら 守ってきた
私の花咲く胸に、あの方は眠っていた、
私は彼を愛撫した、
杉の枝は扇のように、そよかぜを送って来た。

7・彼の髪を手にとっていると、
狭間からの風が吹いて来て、
その静かな手で
私のうなじを打った、
そして私の感覚をみな止めてしまった。

8・みじろぎもせず 我を忘れて、
愛する方に 顔をもたせかけていた…
すべては止み、私は身をゆだねた、
思いわずらいを みな
白百合の中に置き忘れて…