3 結婚の同意

結婚の誓約の当事者は、洗礼を受けた一人の男性と一人の女性で、自由に結婚することができ、自由意志をもって同意を表す者たちです。「自由に結婚することができる」とは次のことを意味します。
――強制されていないこと。
――自然法、あるいは教会法上の結婚の障害がないこと。

教会は新郎新婦間の同意の交換を、「結婚を成立させる」不可欠な要素とみなしています1。同意がなければ結婚は成立しません。

同意とは、「配偶者が互いに自分を与えそして受ける人間行為」のうちに成立するものであり、それは、「わたしはあなたを妻とします」「わたしはあなたを夫とします」ということばで表されます。新郎新婦を互いに結び合わせるこの同意は、二人が「一体」となることで完成します。

同意は、暴力または外部からの強度の恐怖によって束縛されていない当人各自の意志行為でなければなりません。いかなる人間の権力も、この同意に取って代わることはできません。もしもこの同意が自由意志で行われたものでないとすれば、結婚は無効です。

このような理由(あるいは結婚を無効とする他の理由)があれば、教会は、管轄の教会裁判所によって状況を調査した後、「結婚の無効」、すなわち、結婚が成立していなかったということを宣言することができます。この場合、当の二人は自由に他の人と結婚することができます。ただし、以前の結合によって生じた自然的な義務は果たさなければなりません。

結婚式に立ち会う司教や司祭(または助祭)は教会の代表者として二人の同意を受け止め、教会の祝福を与えます。教会の役務者(および証人たち)の臨席は、結婚が教会的出来事であることを明らかにするものです。

そのために教会は、通常、信者が教会の儀式に従って挙式するように命じています。このような規定が定められていることには、いろいろな理由があります。
――秘跡的結婚は典礼行為です。ですから、結婚は教会の公の典礼の中で行われるのがふさわしいのです。
――結婚は人を教会での一定の身分に加入させ、教会における夫婦間の権利と義務、ならびに子供に対する権利と義務とを授けます。
――結婚は教会の中での生活様式の一つですから、結婚についての確証がなければなりません(そのために、証人の立ち会いが義務づけられます)。
――同意を公に表すことによって、そのときの同意が支えられ、それを忠実に守るように助けられます。

新郎新婦の同意が自由で責任あるものとなるため、また、結婚の契約が人間としてまたキリスト者としての堅固で永続的な土台の上に立つためには、結婚の準備がきわめて重要です。 両親や家族の模範と教訓とがこの準備のための最良の方法であることに変わりはありません。
結婚や家庭の人間的およびキリスト教的価値を伝達するためには、司牧者と「神の家族」であるキリスト者共同体の役割が不可欠です。現代では多くの若者が亀裂した家庭を経験しており、家庭以外では結婚や家庭についての基本的教えを十分に受けられない状況であるだけに、その役割はいっそう重要です。
「若い人たちに対しては、とくに家庭において、夫婦愛の品位、任務、行為について時機をはかって適切に教えなければなりません。こうして、彼らは貞潔についての教育を受けた後、時が来れば清い婚約時代を経て結婚に移ることができます」。

混宗結婚と異宗結婚

多くの国では、混宗結婚(カトリック信者と非カトリック受洗者間の結婚)が、かなり頻繁に行われています。これには、配偶者ならびに司牧者の特別な心配りが必要です。異宗結婚(カトリック信者と非キリスト者間の結婚)の場合は、いっそうの慎重さが求められます。

配偶者のキリスト教宗派の違いは、結婚にとって克服できない障害ではありません。それは、二人がそれぞれの教会で受けたものを共有し、お互いがキリストにどのように忠実に生きるかを学ぶことに成功する場合にいえることです。ただし、混宗結婚の難しさを過小評価してはなりません。それは、キリスト者間の分離がまだ解決されていない事実によるものです。配偶者は家庭内で、キリスト者間の不一致の悲劇に出合いかねません。異宗結婚には、この困難をさらに深刻なものにする可能性が秘められています。信仰に限らず、結婚そのものについての考えの相違、それに宗教的考えの違いが、結婚生活の中で、とくに子供の教育に関して、衝突の原因になりえます。こうした場合には、宗教的無関心の誘惑が待ち構えています。

ラテン教会の現行法では、混宗結婚が合法となるためには教会権威者の明示的許可を必要とします。異宗結婚の場合には、結婚が有効となるために障害の明示的免除が必要とされます。この許可もしくは免除が与えられるための条件は、両者が結婚の本質的目的と特性とを知り、それを拒否しないこと、さらにまたカトリック者が、自分には自分の信仰を保持しカトリック教会での子供の洗礼と教育を保証する義務があり、そのことを非カトリック者側にも知らせる必要があるということを確認することです。

多くの国々では、教会一致運動における対話のおかげで、かかわりのあるキリスト教諸派は混宗結婚者のための共同司牧を発足させました。その任務は、このような夫婦が自分たちの特殊な境遇を信仰の光に照らして生きるよう助けることにあります。さらにその活動は、互いに対する配偶者の義務に関して、また各自の所属教会に対する義務に関して起こりうる緊張を克服するように助け、信仰に共通なものを成熟させ、異なる面を尊重し合うように励ますことも目的としています。

異宗結婚におけるカトリック信者の配偶者は、特別な任務を持っています。「なぜなら、信者でない夫は、信者である妻のゆえに聖なる者とされ、信者でない妻は、信者である夫のゆえに聖なる者とされているからです」(一コリント7∙14)。もし、この「聖化」が配偶者の一方をキリスト教信仰への自由な回心に導くならば、キリスト者の配偶者にとっても教会にとっても、大きな喜びです。誠実な夫婦愛、家庭人としての諸徳のつつましく忍耐強い実践、たゆまぬ祈りなどを通して、信者でない配偶者を改宗の恵みにまで導くことができます。