8 要約

聖パウロは、弟子のテモテに対しては、「わたしが手を置いたことによってあなたに与えられている神のたまものを、再び燃えたたせるように勧めます」(ニテモテ1∙6)、「監督(司教)の職を求める人がいれば、その人はよい仕事を望んでいる」(一テモテ3∙1)といい、テトスに対しては、「あなたをクレタに残してきたのは、わたしが指示しておいたように、残っている仕事を整理し、町ごとに長老(司祭)たちを立ててもらうためです」(テトス1∙5)といっています。

教会全体が祭司的な民です。洗礼により、すべての信者はキリストの祭司職にあずかります。この参与は「信者の共通祭司職」と呼ばれます。この基礎に立ち、これに奉仕するため、キリストの使命に参与するもう一つの祭司職があります。すなわち、叙階の秘跡によって与えられる奉仕職です。その任務は共同体の中で頭であるキリストの名において、またその代理者として仕えることです。

役務としての祭司職は、信者の共通祭司職とは本質的に異なります。それは、信者に奉仕するための聖なる権能を与えるものだからです。叙階された役務者は、教えること(教職)、祭儀をつかざどること(祭職)、司牧すること(牧職)を通して神の民に仕えます。

教会の初めから、叙階による役務は司教、司祭、助祭の三段階で授けられ、果たされてきました。叙階によって授けられる役務は、教会の有機的構造にとってはかけがえのないものです。司教、司祭、助祭がいなければ、教会とはいえません。

司教は叙階の秘跡の充満を受け、これによって司教団に加えられ、ゆだねられた部分教会の見える長となります。司教たちは、使徒たちの後継者および司教団の一員として、ペトロの後継者である教皇の権威のもとで、全教会の使徒的責任と使命を分担します。

司祭は祭司職の身分においては司教に結ばれており、司牧の務めを行使するにあたっては、司教に従属します。司教の賢明な協力者となるように召され、部分教会の責任を司教とともに担う司祭団を司教を中心にして構成します。司祭は司教から、小教区共同体の任務あるいは教会のある特定の任務に任じられます。

助祭は、教会の奉仕の務めを果たすために叙階された役務者です。役務としての祭司職は受けませんが、叙階によって、ことば、典礼、司牧、愛の奉仕の務めにおける重要な役割を与えられます。助祭はこれを司教の司牧権威のもとで行います。

叙階の秘跡は、按手と、これに続く荘厳な聖別の祈りとによって授けられます。聖別の祈りは、受階者の役務に必要な聖霊の恵みを神に願うものです。叙階は、消えない秘跡的な霊印をしるします。

教会は叙階の秘跡を、役務にふさわしい適性を持つと認められた受洗男子にのみ授けます。ある人を叙階する責任と権利とは、教会の権限に属します。

ラテン教会では、司祭の叙階の秘跡は通常、自由意志をもって独身制を受け入れる覚悟を持ち、神の国への愛と人々への奉仕のために独身を守る意志を公に表した候補者にしか授けられません。

三つの段階の叙階の秘跡を授ける権限は、司教に属します。