1 叙階(0rdo)という秘跡の名前の由来

洗礼、堅信、聖体(エウカリスチア)は、キリスト教入信の秘跡です。これらの秘跡は、キリストのすべての弟子に共通の召命、すなわち、聖性ならびに世に福音を告げ知らせる使命への召命の土台をなすものです。そしてそれらの秘跡は、天のふるさとに向かって歩んでいるこの旅人としての人生において、霊の導きに従って生きるための必要な恵みを授けます。

もう二つの叙階と結婚の秘跡は、他の人々の救いに向けられています。個人的救いにも寄与するものですが、それは他人への奉仕を通してなのです。この二つの秘跡は教会の中での特別な使命を与えるもので、神の民の育成を目指すものなのです。

洗礼と堅信の秘跡によってすべての信者共通の祭司職にすでに聖別されている人々は、この二つの秘跡において特別な聖別を受けることができます。叙階の秘跡を受ける人々は、キリストの名によって、「神のことばと恩恵をもって教会を牧するために」聖別されます。他方、「キリスト者たる夫婦は、その身分上の義務と尊厳のため、特別な秘跡によって強められ、いわば聖別されるのです」。

叙階は、キリストから使徒たちにゆだねられた使命を世の終わりまで教会において続けさせる秘跡、つまり使徒の奉仕職の秘跡です。これには、司教、司祭、助祭の三つの位階があります。 (キリストによる使徒的役務の制定と派遣とに関しては第2部3章第4節1 教会の位階制度を参照。ここでは、その役務が伝えられる秘跡のあり方についてのみ取り扱います)

0rdo(位階∙団体)の語は、古代ローマでは市民社会の法的団体、とくに統治者たちの団体を意味しており、Ordinatio(叙階)は一つのordo(位階)への加入を意味します。聖伝によると、教会には古い時代から、聖書に基づいた、ギリシア語では必τάξεις(タクセイス)、ラテン語ではordinesと呼ばれる団体がありました。この伝統に基づいて、典礼では、ordoe piscoporum(司教団)、ordo presbyterorum(司祭団)、ordo diaconorum(助祭団)という用語を使っています。他の団体、たとえば、洗礼志願者、おとめ、夫婦、寡婦などのordo(団体)もありました。

教会のこうした団体に加入するために、ordinatio(団体加入式)と呼ばれる式が行われていました。この式は宗教的典礼行為であって、聖別、祝福、秘跡などと呼ばれていました。今日では、ordinatio(叙階)の語は司教、司祭、助祭の団体に加入させる秘跡的行為のためだけに用いられており、共同体による単なる選挙、指名、委任ないし任命以上の意味合いが込められています。なぜなら、聖なる権能を行使させ、教会を通してキリストだけが与えることができる聖霊のたまものを授けるからです。叙階はまた、聖別(consecratio)とも呼ばれます。それは、キリストご自身によって教会のために選別され、叙任されるものだからです。聖別の祈りを伴う司教の按手が、この聖別の見えるしるしとなっています。