4 この秘跡の執行の効果

聖霊の特別なたまもの。この秘跡が与えてくれる第一の恵みは、重病あるいは老衰からくる困難を克服するために霊魂を励まし、平和と勇気を与える恵みです。この恵みは神への信頼と信仰とを新たにし、死に直面して落胆したり苦悩したりする気持ちを起こさせる悪魔の誘惑に抵抗する力を与える聖霊のたまものです。キリストの霊が行う助けは病者の霊魂をいやすためのものです。さらに、それが神のおぼしめしであれば、からだの治癒も行われます。そのうえ、「その人が罪を犯したのであれば、主がゆるしてくださいます」(ヤコブ5∙15)。

キリストの受難に一致する。この秘跡の恵みにより、病人はキリストの受難にいっそう緊密に一致する力とたまものとを受けます。病人は、あがないをもたらすキリストの受難にあやかって実を結ぶために、いわば聖別されるのです。原罪の結果である苦しみは、イエスの救いのみわざにあずかるという新しい意義を持つものとなります。

教会的恵み。この秘跡を受ける病人は「進んで自分をキリストの受難と死に合わせて、神の民の善に寄与します」。教会は聖徒の交わりの中でこの秘跡を行いながら病人の幸せのために執り成しますが、病人はこの秘跡の恵みによって教会の聖化とすべての人の善益とに寄与します。事実、教会は、すべての人のために苦しみ、すべての人のためにキリストを通して父である神に自らをささげます。

死への準備。もし病者の塗油の秘跡が重い病気と疾患とに苦しむすべ∙ての人に授けられるのであれば、「死に直面していると考えられる」人々に授けられるというのは当然なことです。それゆえ、「この世を去る人々の秘跡」と呼ばれていました。病者の塗油は、洗礼によって始められたキリストの死と復活への参与を完成させるものです。病者の塗油は、キリスト者の人生の節目に与えられたそれぞれの聖なる塗油を完成するものです。洗礼の塗油はわたしたちに新しいいのちの証印を押しましたし、堅信の塗油はこのいのちの戦いのための力を与えました。そしてこの最後の塗油は、生涯の終わりに、御父の家に入る前の最後の戦いに備えさせてくれます。