第6書 10章 キリストの昇天

主は十一人の使徒たちと共に食卓の周りにおられ、他の弟子たちや信心深い婦人も高間に集まります。主は、これら大勢の人たちがご昇天に居合わせることを望み言います。「愛する子供たちよ、私は御父のもとに帰ろうとしています。私の代わりとして御母を残します。御母は、あなた方の守護者、なぐさめる人、弁護人であり御母です。御母の言うことを聞きなさい。私を見る者は御父を見、私を知るものは御父を知ると私が言ったように、私の御母を知る者は私を知り、御母に耳を傾ける者は私の言うことを聞き、御母を讃える者は、私を讃えると、あなたたちにはっきり言っておきます。あなたたち皆にとり、御母は上司であり、頭であります。あなたたちの子孫にとっても同じことです。御母はあなたたちの疑いに答え、困難な問題を解決してくださいます。私を探すものは、御母のなかに私を見出します。私は世の終わりまで御母のなかに居続けます。今でも御母のなかに居ます。どのようにしてそうできるのか、あなたたちにはわかりません」。主は続けられます。「あなたたちは、主祭司長のペトロに従いなさい、聖ヨハネが私の御母の息子になることは、私が十字架の上で命令した通りです。主の話しを聞いた会衆は皆感動しました。神に対する愛に燃える一方、主と別れることを悲しみます。一人が叫びます。「私たちは孤立無援になり孤児になります。誰が私たちの父になり、保護者となるのか?あなたなしで私たちに何ができますか?あなた以外の誰のところに行きましょう?どこへ行けばいいですか?」。主は、皆がエルサレムに留まり、祈り続け、慰め主聖霊を待つようにとお答えになります。御父が約束され、御子が最後の晩餐で予告された通りです。主は御母と共に、この集団を引きつれてエルサレムの街の通りを歩かれます。人々はオリーブ山を目指します。オリーブ山頂に着くと人々は輪を作り、主を囲みます。御母は御子の足元にひれ伏し、うやうやしく礼拝し、最後の祝福をお願いします。人々も同様にします。泣き、嘆きながら、主がイスラエルの王国を再建されるのかどうか質問します。主は永遠の御父のみが知っておられると答えられます。人々が聖霊を頂き、エルサレム、サマリアや全世界に救いの神秘を説教することは必要で、時期にかなっていると言います。主の御顔から平和と威厳の光が輝き出ます。主は左の御手を胸に置き、右の御手を挙げ、全世界を祝福しながら地面から上昇していきます。空にゆっくりと昇っていかれる主を人々は身動きせずじっと見つめます。すると天から下ってきた光は主ご自身から発する光と合流します。主は光雲のなかに消え失せられえます。この雲から光の露が一同の上に降ります。かれらは目がくらみ、地面にうち伏せます。聖母は静かに前を見つめられます。しばらくして光が薄れると、群衆は大いなる静けさと深い感動のうちに見上げます。空にはなお光の残影がありました。その光のうちから二人の人が降りて近づき皆に言います。「ガリラヤの人たち、なぜ天を見上げて立っているのか。あなたがたから離れて天に上げられたイエスは、天に行かれるのをあなたがたが見たのと同じ有様で、またおいでになる」。