第4書 6章 王たちの礼拝

三人の王たちが神の子を探しに来ました。パレスチナの東の国々、ペルシャ、アラビアとサバ(詩編七十二・十)の王たちです。このことはダビデと、その前にバラムによって預言されています。この三人の王たちは、天使から神についての啓示を聞きました。天使が作ったよく見える星を見ました。この星は昼間でも見えました。それぞれの国から見える星に導かれて旅してくると、ある場所で三人は落ち合いました。お互い話し合ってみると、お互いが受けた啓示は全く同じで、神の子を拝むという熱烈な信心に燃えました。天の御母は信心深い熱心な王たちを待っていました。王たちが洞穴に入り、光り輝く御子と御母にお会いし、地面にひれ伏し、御子を真の神である人間、人類の救い主として崇め、拝みました。御子から新しい啓示を頂きました。王の王に仕えるたくさんの天使たちがいるのに気づきました。上半身を起こし、跪きの姿勢で全人類の女王を、永遠の御父の御子の御母として褒め称えました。膝で歩み寄り、御母の御手に接吻しようとしましたが、御母は御手を引っ込め、その代わり、世界の救世主の御手を差し出し、言いました。「私の霊魂は主を喜び、崇めます。諸国民から、主はあなたたちを選び、あなたたちを招いてくださったからです。大勢の王たちや預言者たちには、人となられた永遠のも言葉である主に会うという望みが叶えられなかったからです。神の神秘を成し遂げられた主の御名を褒め讃え、主のおられるこの地を接吻しましょう」。この御言葉を聞き、王たちは御子を伏し拝み、正義の太陽なる御子が闇を照らすために来られた(マラキ四・二)ときに生きていることを感謝しました。聖ヨゼフに向かい、神の御母の夫に選ばれた幸運を祝いました。その後、エルサレムの宿舎に行き、自分たちの見聞きしたことを話し合いました。「神の全能の偉大さが世間に知られず、清貧のなかに隠されている!この謙遜は人間には想像できない!これを見る幸運をつかむため、あらゆる人たちが来るであろう!」王たちは聖家族の貧しさを思い出し、贈り物を召し使いたちに送らせました。これは自分たちの国から用意してきた物のほかに、旅で買ったものです。聖マリアと聖ヨゼフは贈り物を丁寧に受け取り、王たちのために多くの霊的贈り物をしました。王たちからの贈り物は、貧乏人や訪問者たちに、聖マリアによって分配されることになりました。王たちはその晩は眠り、天使たちから別の道を通って帰国するように教えられました。翌朝、明け方、王たちは生誕の洞穴に戻り、ひれ伏し、黄金、乳香と没薬を主に捧げました(マタイ二・十一)。王たちは、神秘、信心、両親や善政の問題について御母に質問しました。御母は心のなかで御子と相談し、上智の先生として王たちに教えました。教えの美しさに魅惑され、王たちはお側から離れたくありませんでしたが、天使が現れ、自国に戻る義務を諭しました。帰る前に、王たちは御母に宝石を差し上げようとしましたが、御母は、黄金、乳香と没薬だけを受け取ると言われ、王たちに、御子の産着を一枚づつ送りました。王たちは恭しく受け取り、金と宝石の箱の中に収めました。産着から芳香が溢れ、約三マイル(約五キロ)四方に広がりましたが、不信心な人たちは嗅げませんでした。産着はそれぞれの国で大奇跡を起こすことになります。なお、王たちは出発に先立ち、御母がお受け取りにならなかった贈り物のかわりに、家を建てたいと申しでました。御母は聖なる王たちの厚意を感謝し、受け取りませんでした。出発において、王たちは御母に、自分たちのことを覚えてくださるようにお願いし、御母の御約束を頂きました。聖ヨゼフの御約束も頂きました。御子、御母、御養父の祝福を受け、王たちの心は全く溶け出し、洞穴のなかに定着してしまったかのようでした。王たちは泣き、悲しみながら、聖家族を後にし、天使たちに教えられたように、他の道を通り、ヘロデ王に会わなくてすみました。