1巻 4 慎重に行う

どんな言葉も、たやすく信じてはならない。また衝動に従ってはならない。むしろ慎重に、思慮深く、神のみ旨を見ながら、ことを判断しなければならない。ああ悲しいことに、私たちは実に弱いものだ、隣人についても、良いことより悪いことの方をはるかに信じるし、また話しがちである。しかし完徳を目指す人は、他人の話を容易に信じ込まない。人間がどれほど悪に傾いていて、言葉を誤りやすい弱いものであるかを、知っているからである。あわてて事を行わず、また自分の意見を頑固に押し通そうとしないのは賢明なことである。他人の言葉をなんでも信じ込まず、聞いたり信じたりしたことを、すぐ人の耳にもらさないことも、すぐれた知恵である。知恵もあり、良心も正しい人と、相談せよ、そして、あなた自身の意見に従うより、あなたより学問ある人に、教えてもらうように努めよ。よい生活は、神による知恵と、敬虔とを、人にさずけるものである。心から謙虚になり、神に服従すればするほど、人は万事において知恵を深め、そして落ち着いてくる。